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■Porsche 911
Speedsterについて
1983年にポルシェはロールバーを持たないカブリオレを復活させた。
そして1989年ついにリアシートを持たずカブリオレよりも10センチ低いウインドシールと、あのストイックな形状のソフトトップで往年を髣髴とさせる「スピードスター」が復活する事となる。
動力性能はカブリオレと変わらずなのだが当所予定の2003台は予約完売となり171台が追加生産され930ボディも在庫一掃が出来て「めでたしめでたし」
この1989年製「スピードスター」はカブリオレよりも高い11万1575マルクと言う資料がある。
また1986年のCGの資料ではカレラ・カブリオレの日本での価格は1198万円となっている。
ドイツ国内での当時のレートが1マルクが約75円として日本円で850万円としても廉価なスポーツカーとは言い難い、この車で本気でレースに出場する人がいるのやらは疑問である。
まぁ、お金持ちが雰囲気を味わう的な車なのかなぁ〜時代の隔たりはどうしようもないのだろう。
■Porsche 911 Speedsterスペック
Engine Air-cooled Flat-6
Valvetrain SOHC
Displacement 3164 cc
Bore 87.0 mm
Stroke 75.0 mm
Compression
10.3:1
Power 172.3 kw / 231.1 bhp @ 5900 rpm
Specific output 73.04
bhp per litre
Bhp/weight bhp per tonne
Torque 264.4 nm / 195.0 ft
lbs @ 4800 rpm
Redline 6300
Body / frame Unit Steel
Driven wheels
Rear Engine / RWD
Front tires 205/55ZR-16
Rear tires
245/45ZR-16
Front brakes Vented Discs w/ Vacuum Assist
F brake size
x 305 mm / x 12.0 in
R brake size x 310 mm / x 12.2 in
Front wheels
F 40.6 x 17.8 cm / 16.0 x 7.0 in
Rear wheels R 40.6 x 22.9 cm / 16.0 x
9.0 in
Steering Rack & Pinion
Curb weight 1220 kg / 2690
lbs
Wheelbase 2273 mm / 89.5 in
Front track 1433 mm / 56.4
in
Rear track 1491 mm / 58.7 in
Length 4291 mm / 168.9 in
Width
1775 mm / 69.9 in
Height 1280 mm / 50.4 in
Transmission 5-Speed
Manual
Gear ratios 3.50:1, 2.06:1, 1.41:1, 1.13:1, 0.89:1, :1
Fnal
drive 3.44:1
Top speed ~245 kph / 152.2 mph
■Porsche 356
Speedster
スピードスターの誕生は1952年に遡る。
356を基本に装備は極限状態まで簡素化され狭苦しいコックピットのインストルメント・パネルには左からスピードメーター、回転計、油温/燃料量の集合と言う3連の大型メーターと必要最低限のスイッチ類のみでサイドウィンドウにいたっては省略されいた。
今の感覚からすると装備的には素寒貧なクルマである。
しかし僅か605kgのボディに1500Sの70馬力のエンジンを搭載し当時のアメリカのクラブ・レースで常勝を続けたと言う事実がこの車の存在意義を明確に表している。
この車が発想されたのは実はシュトゥットガルトの設計室ではなくアメリカのインポーターの事務所の机の上だったと言うから驚きだ。
当時のレース事情として参加車両は英国製のMG、トライアンフ、サンビームが主流で、それに対し手軽に参加出来るポルシェが存在しなかった。
そこで輸入業者であるマキシー・ホフマンがポルシェに対して質素な装備で廉価なスポーツカーを要求し、それにポルシェが答えたのが「アメリカ・ロードスター」だったのだ。
1954年ロードスターは「スピードスター」として進化?する事になる。
狭苦しいコックピットのインストルメント・パネルについては変化なし。
しかし差し込み式のサイドウィンドウが追加され更にはルーフトップが設定されたのだ。
「された」のだが、この両者、走行時には殆んど用をなさないしろものだった様だ。
それは、あまりにも低いウィンドシールから延長されるルーフのラインが余程座高の低いドライバーでなければとんでもない姿勢(首を体にめり込ませるような)での運転を強いられる。
幸いにもルーフに頭が接触しなかったとしても、とんでもない圧迫感がつきまとったらしい。
と言う訳でルーフについては駐車している時か余程の大雨以外では使われる事は無かった様だ。
まさに「スパルタン」だ。
資料によると1956年におけるポルシェ車全体の販売台数が4264台でこの内の1700台が「スピードスター」だったとある。
「居住性とか快適性など無縁だぞ!」と言わんばかりな当時の人たちの「熱い心」を感じてしまうのは私だけか。
こんなところでご先祖の話は終いにしよう。
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