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300SLR Uhlenhaut Maisto 

300SLR 開発の経緯
■300SL
1951年、敗戦国だったドイツも、ようやくグランプリレースへのエントリーを認められメルセデス・ベンツもシルバーアロー復活を目指し、フリッツ・ナリンゲル、アルフレード・ノイバウア、ルドルフ・ウーレンハウトらが中心となりレーシングカーの試作が開始された。
そして1952年マルチ・チューブラー・スペースフレーム構造で軽量化されたガルウィングドアのクーペ、300SLが誕生
主な戦績はルマン24時間1-2フィニッシュ、カレラ・パナメリカーナでも1-2フィニッシュ、ミッレ・ミリアでは2位と3位と言う国際レースへの輝かしい復帰を遂げたのだった。

レースでの好成績を得て市販化された300SLは特に北米市場の支持を得た事で、その開発の目的を達成した。



300SLRクーペ(ウーレンハウト)
300SLRクーペ(ウーレンハウト)については1955年のレース戦略のなかでカレラ・パナメリカーナ参戦の為、製作されたと言う説がある。
カレラ・パナメリカーナは非常に人気のあったレースのようで、毎回ドライバーの死亡事故がおきるなど危険なレースだった為、この年は中止となり以降は開催されていない。
そしてメルセデス・ベンツの公式なレース活動休止に伴い、その実力を発揮出来る場を完全に失ってしまった。
一見300SLに見えるが良く見るとよりシャープなボディライン等で、まったく異質な存在である事がわかる





■W196
1954年、300SLでのレースのノウハウを生かしマルチ・チューブラー・スペースフレームをアルミ製ボディで覆った流線型デザインのW196が完成した。
W196は設計概念は300SLの流れを受け継いではいたが設計自体は、まったくの新規でエンジンも直6SOHC 3リッターから、直8DOHC 2.5リッターとなり最大出力も燃料噴射装置の開発成功のおかげで171psから280psへと飛躍的に増大した。
(市販の300SLで、すでに燃料噴射装置は設定されていたので正確には215psから280psかも知れない。)
W196は1954年、1955年の15のF1グランプリのうち12戦で優勝する圧倒的な強さを発揮した。

■300SLR
1955年、国際ツーリングカーの部門での制覇を目指し、W196に改良を加え2.5リッター280psから3リッター300psとなったニュルブルクタイプ(葉巻型)の300SLRが誕生した。
300SLRもデビュー当初から圧倒的強さを見せつけミッレ・ミリア1-2フィニッシュ、スウェーデンGP 1-2フィニッシュ、タルガ・フローリオ1-2フィニッシュ、等素晴らしい戦績をあげたのだが、あの、ルマンでの大惨事が原因でこの年でメルセデス・ベンツの公式なレース活動は30年以上の間、封印される事になる。
私は以前より大惨事のあった6月のルマンで事故のあとも上位を走っていたチーム全員を引き上げて、そのままレース活動に終止符を打ったものと思っていたが、実は上記、戦績のタルガ・フローリオは10月開催となっているので、一通りシリーズに参加して翌年よりレース活動を中止したと言う事の様だ。
300SLRは9台が製作され内1台がガルウィングドアのクーペボディ(ウーレンハウト)と資料にある。



映画「死刑台のエレベーター」で主役のタヴェルニェの車を盗んだ若者がひょんな事から知り合ったドイツ人旅行者が300SLに乗っていて、モーテルのガレージで300SLのエンジンルームを見て「キャブレターが無い」と言う科白を言うのだが子供の頃は意味がわからなかった。
燃料噴射装置なんて知らなかった






フランス映画は結構、自動車を上手くアレンジして印象付けているようで「男と女」でもフォードGT MkTやマスタングが映像にしまりを加えている。
小学生の時、テレビで見たフランス映画で、お金持ちの奥様風が田園の、ど真ん中の直線を多分フェラーリでテイルを左右に振りながら猛スピードでこちらに向かって来るシーンがあった。
でもタイトルは記憶にない。
いつか片っ端からジャンヌ・モロー主演作品あたりのDVDを買いまくっていたりして



モデルについて

この時代のメルセデス・ベンツの1/18のモデルのメーカーは何と言ってもCMCに限りる。
1952年カレラ・パナメリカーナで1-2フィニッシュした300SLを始め1955年のミッレ・ミリア優勝車300SLR「7時22分」、W196、そして、この当時、時速140キロで競技車両を安全に移動させる事が出来た超フロントオーバーハングのブルーのトランスポーター等

CMCの秀逸さを確認するには「CMC 300SLR」で検索すれば簡単にわかる。
CMCは非常に素晴らしい出来映えのメルセデス・ベンツを提供してくれるのだが当然その出来栄えに比例して高価な商品だ。
CMCを蒐集する為にはコレクターとして本気を出さなくてはならないのである。
CMCは、したがって、あまりお金が無いコレクターにとっては、なかなか乗り越えられない巨大な壁となる。
そこでマイストの登場となるわけである。
CMCの存在に目をつむってしまえば、そこそこの出来栄えのグランプリカーが手に入る。マイストもその辺の気配りがある様でCMCでモデル化をまだしていない300SLRタルガ・フローリオ優勝車やウーレンハウトのモデルをラインナップしている。

ただ最近(2009/12現在)発見したミニカーショップサイトで「CMC 300SLR ウーレンハウト」の予約受付のページを発見してしまった。

乗り越えられない壁がさらに高さを増してきた。
しかし、簡単に入手できないからこそ面白いのかも知れないね。
貧乏コレクターの勝手な合理化であった。


 2009/12/20 © 2009 Loft Studio Hal.kill.jp

この記事をアップしてから多少は知識も増えて再度読み返して見て不確実かつ不正確な個所をいくつか発見したが敢えて直さないことにした。



結局手に入れるまであきらめない性分なのであった。



1/18 CMC Mercedes Benz 300SLR Coupe へのリンク


1/18 CMC Mercedes Benz Renntransporter 1954 へのリンク



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